2012年03月22日

「丸亀製麺」のこと

「丸亀製麺」のこと





「丸亀製麺」という讃岐うどんの全国チェーンがあります。



ご存知の方も多いと思いますが、「丸亀製麺」は、香川県とは縁もゆかりもない、兵庫県神戸に本拠地を置く、大手外食チェーンのトリドールの展開している讃岐うどんのチェーンに過ぎませんので、ずいぶん気を使って、香川県内には、2007年から、イオン高松郷東店のフードコートに「亀坂製麺」という、坂出市と丸亀市の名前をドッキングしたような名前でお店を出していましたが、この度、2012年3月11日、初めて「丸亀製麺」という名前で、高松市室新町(栗林公園の南側)にお店を出しました。



結論から言うと、私自身、「亀坂製麺」で何回か食べた感想では、出てくるうどんそのものでは、「はなまる」や「はすい亭」よりはましですが、麺そのもののこしと、かけうどんのダシについては、もう少し研究された方がいいな、と思いますが、おにぎりが美味しいこと、サービスがいいことは評価できると感じています。



少なくとも神戸の方が本気で取り組んでいることだけは感じられるので、印象は悪くないですね。特に、高松に本店があるのに、どうしようもなく不味い物体を出している「はなまる」や「はすい亭」に比べたら、格段に意識が上なのでいいと思っています。



「讃岐うどん」は、1200年前から香川県で食べ続けられている文化で、お金儲けの道具の名物や商品の名前ではなく、オムライスや、親子丼などの名称と同格の名詞になっていますから、高松市内で生まれ、うどんを日常的に食べて育った私にとっては、「丸亀製麺」という名称は、「ガスト」や「バーミアン」と同格のファミレスの名前にすぎません。



まあ、香川県丸亀市で生まれ育った人は、「なんやこれ。」と思っているでしょうけど、香川県高松市番町四丁目で生まれ育った私にとっては、江戸時代、丸亀は、水戸光圀のお兄様が創設した譜代大名の松平藩の高松と違って、隣の外様大名の京極藩でしたので、あまりそれほどの感慨はないですし、丸亀市のうどんでは、「こだわり麺や」「綿谷製麺」、坂出市のうどんでは、「まるいち」が、全て、高松市内に支店を出してて素晴らしく美味しいことを知っていますので、うどんの品質だけでは、勝負は最初から決まっています。



以下、そのことについて、客観的事実を、全国の皆様にご報告します。



a.「こだわり麺や・高松支店」;『かけうどん』190円〔ただし、8:30~11:00は150円〕、人気ナンバーワンのトッピングは、マッシュポテトをちくわの穴につめて天麩羅にした『ちくポテ』100円、野菜の天麩羅は野菜を全て坂出市のこだわり農場で作っているので、全て新鮮で野菜の甘みのある天麩羅で90円、『チラシ寿司』110円、『おでん1本』90円、デザートの『レアチーズケーキ』50円、自分の農場で採れた根菜を豆腐、揚げ、こんにゃくと共にいっぱい入れた冬季限定の『しっぽくうどん』400円、等、を作っていますので安く素晴らしいうどんを楽しめるチェーン店です。また、自分の農場で、手打ち讃岐うどんに最適なハイブリッド小麦を開発しましたので、ここのうどんのこしは、丸亀から支店を出していますが、高松市民にも受け入れられています。オーナー社長の年齢は35歳、従業員平均年齢は、20歳代前半で、サービスは抜群で、食べ終わった時に、お盆に載ったうどんやチラシ寿司は、必ず、通りかかった若い店員が厨房まで運んでくれますので、私は持ち運んだことがありません。2回来店した顧客の名前は全て覚えて接客しています。バリアフリーで、高齢者の来店時には手を引いて着席させています。そして、この若者の店員は全て美人、ハンサムで、マナーは完璧で、必ず顧客のテーブルの前にひざまずいて顧客の言うことをアクティブリスニングで受けています。マニュアルはなく、従業員のマナーは全て店長のOJTで教育しています。こんなことは、私がかつて東京在勤当時、勤務していた住友信託銀行でも出来ないことでした。香川県の地銀の百十四銀行の人事部長は、ここでうどんを食べると意識改革が出来るお店です。このように、脱マニュアルなので、方言でも共通語でも完璧な接客が出来るのです。しかもこの店の立地は、高松市の香川県庁真向かいの番町にありますので、「丸亀製麺」が開店した高松市室新町に比べると、賃料は5倍です。



b.「綿谷製麺・高松支店」;『かけうどん』190円〔ただし、この店は、1玉は全て1.5玉、です。〕、野菜や瀬戸内の海産物(アナゴなど)の天麩羅は一律100円。しかし、この店は、『肉うどん』『肉ぶっかけうどん』(いずれも350円)と、お米2合の『ジャンボ稲荷寿司』(160円)を食べに行く店なので、誰も『かけうどん』は、オーダーしません。『肉うどん』『肉ぶっかけうどん』はいずれも、牛肉のシグレ煮が生卵と一緒にうどんが見えないくらいいっぱいのっています。豚肉に変えると、肉の量は1.5倍になります。『おでん1本』90円。そして決め手は、午後1:45から、トッピングの天麩羅、ジャンボ稲荷寿司、が全て無料になることです。従業員の平均年齢は、「こだわり麺や・高松支店」より少し上ですが、マナーは、「こだわり麺や・高松支店」同様、完璧です。また、この店は、和風の内装が素晴らしいです。この店の立地は、高松市の中央商店街の南新町ですので、「丸亀製麺」が開店した高松市室新町に比べると、賃料は6倍です。



c.「まるいち」;香川県内最大の支店網のあるセルフうどん店、『かけうどん』150円〔ただし、5のつく日、5日、15日、25日は、100円〕、うどんの麺の小麦の香りは、この店が、香川県内ではナンバーワンですので、かけうどんよりもぶっかけうどんが美味しいので有名です。また、創業は明治時代の老舗ですが、広い農場も持っていて、そこで採れた野菜を天麩羅や、しっぽくうどんの具材にしていますので安く美味しく提供できるのです。特に、ゴボウと高野豆腐の天麩羅は、このチェーン店が一番美味しいです。高松市内に20店舗あります。



以上ご紹介した、香川県内のセルフ讃岐うどん店は、ほんの一部です。



また、「丸亀製麺」の高松市内の支店が初めて開店した栗林公園近所の室新町近辺には、「上原屋本店」という老舗セルフうどん店、「松下製麺所」という老舗製麺所がありますので、うどんだけでは、「丸亀製麺」の『かけうどん』280円、トッピングの『かき揚げ』130円の値段では、高すぎますので、勝負にならないでしょう。



以上のように、値段の点、地産地消の点で、香川県内に本社を置くたくさんのセルフ讃岐うどんチェーン店との間では、勝負にならないですから、「丸亀製麺」は、香川県内では、ファミレスと考えて営業展開された方がいいと思います。ただし、幸いなことに高松市内はには、転勤族が多く住んでいますので、神戸からいらしたのですから、神戸ステーキもメニューに加えるといいのじゃないでしょうか。



まあ、その場合にも、香川県小豆島のオリーブを食べさせた、オリーブ牛が最近高評価ですので、神戸牛とオリーブ牛の対決になると思います。



以上のように、香川県内では、「丸亀製麺」は、『讃岐うどんもメニューに入っているファミレス』としてしか生き残れないと思いますが、既に、香川県以外に、500店以上展開してくださっているので、香川県をPRして下さったことは、とても、有難いことだと思っています。



香川県内の讃岐うどん店の売り上げの4割くらいは、うどんの玉売りの売り上げですので、「丸亀製麺」のうどんが素晴らしいので、お昼に「丸亀製麺」で食べた後、生うどんを買って帰り、夕食にも、「丸亀製麺」のうどんを食べたいと思う香川県民まで出てくれば、「セルフチェーン讃岐うどん店」としては成功だったということになるのでしょうけど、「丸亀製麺」は、まだその域には達していませんし、トリドールとしてはレストランチェーンのひとつとして展開しているようですね。しかし、本当に香川県民が認めたら、生麺を買って帰りたい、テイクアウトしたい、と言うはずですから、せっかく讃岐うどんで勝負しているのですから、そういう声が自然に沸き起こるまで、ご健闘を祈ります。



以上、「丸亀製麺」の香川県高松市への支店展開については、阿呆なマスコミが騒ぎすぎているようなので、私の感想を一応書きましたが、香川県は大昔から、平和でのんびりした、争いごとの嫌いな土地ですので、香川県の外郭団体の「さぬきうどん協同組合」も、あまり意識せず、マイペースでやっているようです。



さしあたり、聞こえてくる反応は、讃岐弁で、「『丸亀製麺』いう、うまーげな、うどん屋が出来たでぇ。」でしょうが、この『うまーげな』は、「美味しそうな」というあいまいな意味の、ただの愛想言葉で、7割肯定3割否定ですので、そのようなものは、無視していいと思います。本当に、この店のうどんは美味しい、と思ったら、香川県民は、黙って、レジで、「生うどんを家でもいただきたいので、分けてくれませんか。」というはずです。何しろ、香川県民は平安時代から1200年もうどんと一緒に生きてきたのです。お世辞など全く関係なく、美味しいうどんは美味しいと、フェアーに評価しますから、安心して、営業にまい進してください。



まあ、讃岐うどんのことばかり書いていると、またまた、高松の旧友たちに叱られます(笑)ので、このあたりにして、昨日のお昼、私は、一昨日いただいた高松市亀井町「マサラ亭」の『シーフードカレー』が素晴らしかったので、またお邪魔して、昨日は、『ベジタブルカレー』に、ダブルチーズウインナーをトッピングしていただきました。20歳代の高松の若いサラリーマンが入っていたので、味覚のしっかりした若者が多いようで、私は安心しましたよ。



でも、ここのカレーは、本当に美味しいですね。ガラムマサラと一緒に入っている企業秘密のオリジナルスパイスをかけると、本当に美味しいのですよ。『ベジタブルカレー』に入っている野菜では、ナスとズッキーニが素晴らしく美味しかったです。



また、一人でがんばっているマスターが、とても親切なのでいいですね。



掲載写真は、高松市亀井町「マサラ亭」の、『ベジタブルカレー・ダブルチーズウインナー載せ』、です。










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