2014年02月04日
さぬき市志度町の『鬼の豆もらい』


昨日は節分でした。
大阪で始まった「恵方巻」の習慣が、セブンイレブンのPRもあって、今では全国の慣わしになっていますが、今でも、日本各地には、節分の独特の慣わしが残っているようですね。
私の住む、うどん県にも、高松市の東隣の、平賀源内の出生地として有名な、志度町に、『鬼の豆もらい』という風習があります。
『鬼の豆もらい』は、志度町に住む子ども達が、地域を回りお菓子をもらうという、したりです。
子供達がお菓子をもらいに行くのは、お菓子屋さんなどの商売をやっているところだけじゃないのです。
警察署、消防署や、郵便局などの公共団体においても、香川県志度町においては、節分に子供達が『鬼の豆下さい』とやってきたら、お菓子をあげないといけないのです。
ただし、このしきたりは、地域コミュニティーの最たるもので、子供達が、きちんと、挨拶をして、お願いをしないと、お菓子はもらえないので、子供のしつけとして、とても重要なしきたりになっています。
ちゃんと、「鬼の豆ください!」と言えるかどうか、もらった後に、「ありがとうございます!」と言えるかを地域全体で教えているのです。
昔は、子供達に、豆やみかんをあげていたのですが、今日では、いろんなお菓子に変わったそうです。でも、この主目的が、子供達に挨拶を徹底させることなのですから、何でもいいのです。
こういう素晴らしい風習は、是非、全国に広げて行って欲しいな、と思う、犯罪の多発する、今日この頃ですね。
掲載写真は、節分の日に、町を走り回る、志度町の子供達、です。

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タグ :地域コミュニティー
2012年12月16日
衆議院選挙に行って

「なんがでっきょんな。あんたがしゃんしゃん、しとらんけん、こんなにならんどるんでっせ。それを棚に上げて、待っちょる県民に、『ここで折り返してぇた。』とか、『列が重ならんようにしてぇた。』とは何事な。並び方に文句言う前に、しゃんしゃん、仕事しまぁせ。」
ぼくは思わず、香川県選挙管理委員会の投票用紙を渡している事務員の、のびた讃岐うどん、のように、のーーーんびりした仕事ぶりに文句を言いました。
「ほんまやほんまや。」
後ろから並んでいるうどん県民の皆様から賛同の声がかかりました。
今朝のこと。衆議院選挙に行った、自宅近所の投票所の、「紫雲中学校体育館」でのことでした。
投票率は確実に落ちているのでしょうけど、一昨日、高松の町をブラブラしていたら、高松高校後輩の、小川淳也君が、ライオン通り商店街の入口で少し演説してから、ライオン通りを練り歩くのに出会ったので、私は、「よっしゃ。ほんだらわしの知っとるライオン通りの商売人全部呼び出してくるわ。」と言って、お手伝いしました。
さぬきうどん店「だいこく」の社長、ラーメン店「よって家」の社長、骨付き鶏店「欄丸」の社長、お茶の「かおり園」の大奥様、などを、店に入って、外に呼び出しました。
いきなりですから、なんでもいいのです。ともかく、私はこう言いました。
「わしの高松高校の後輩の小川淳也君が来たでぇ。東京の方で、どじょう総理がわやしたけん、民主党が評判落としたけん、かわいそうな目におうとるけん、淳也に入れてぇたのう。入れんのなら入れんでもかんまんけど、小川君と握手したらお客さんが増えるけん、出て来まあせ。」と大声で呼び出しました。
「だいこく」、「よって屋」、「欄丸」の社長は顔見知りだったのでよかったのですが、「かおり園」の大奥様は、江戸千家不白流だった、亡くなった母と祖母がお茶会でひいきにしていた店だったので、母と祖母の名前を出して、「小川君を応援するんが、祖母と母の遺言なんやあ。」と店頭で泣き落として、表に出てもらいました。
もう、小川君の秘書もみんな爆笑していましたので、これでいいのです。結果がどうなろうと、「人間万事塞翁が馬」なのですから、楽しく生きればよいのですもの。
まあ、私が聞いた限りでは、今回は選挙に行かない人が多いので、投票率は確実に落ちますから、こういう時こそ、選挙に出向いてくれた有権者をむかえる、選挙管理委員会の受入れ姿勢がとても重要なのですが、香川県は出来が悪いので呆れました。
たぶん、うどんを食べすぎたため、脳細胞が劣化しているのだろう、と思いました。
こうして、投票を終え、外に出たら、NHKの出口調査の若者がいて、聞かれたので全て答えた後、香川県選挙管理委員会のメンバーがうどんを食べすぎて頭が悪くなってしまったので、本当に、選挙の受け入れ態勢が、全く出来ていないこと、投票引換券の送付が、全国で、高松市だけが遅れたため、期日前投票開始に間に合わなかったことなどを言って、NHKはこのあたりの香川県選挙管理委員会の、うどんの食べすぎによる不行き届きをニュースで流すよう、ご案内しましたら、彼も爆笑していたので、楽しく、丸山製麺所でうどんを食べて帰宅しました。
私は、生まれも育ちも、うどん県民ですから、矛盾していようがなんでもいいのです(笑)。
こうして食べに行った、丸山製麺所の奥さんに聞くと、「どの人に入れたらええんか、わけがわからん。」と言っていましたので、たぶん、創価学会の方以外は、最後の最後まで、どの人に投票したらいいのかわからないまま終わるのでしょうね。
まあ、今回の衆議院選挙は、どうでもいいのですよ。勝負は、次の、参議院選挙で、ねじれがなくなるかどうか、なのですからね。

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2012年09月07日
「ひょうげ祭」と、ひょうげ豆のお話

高松は、海外の田舎なので、お祭りがいろいろあります。盆踊りは、「一合まいた」という民謡で踊る、8月中旬の高松祭りに統一されているのですが、それは、行政上のしきたりにすぎず、各神社のお祭りがたくさんあります。
私の生まれ育った、高松市番町界隈の住民は、全員、石清尾八幡宮の氏子なので、石清尾八幡宮のお祭りの日は、学校も半日でおしまいでした。
お祭りの日に学校が半日でおしまいなのは、どうしてだかわかりませんでしたが、食いしん坊の私は、お祭りに行くと、綿菓子や焼きそばなどが、いろいろ食べられるのが楽しかった思い出があります。今にして思うと、お祭りの屋台に、うどんはありませんでした。が、これは、うどんが日常食だったためでしょうね(笑)。
こうした、各地区各地区に昔からあるお祭りの一つに、「ひょうげ祭」、があります。「ひょうげ祭」は、高松市香川町にある新池というため池を舞台に、毎年9月の第二日曜日に行われる、お祭りです。
この祭りの起こりは江戸時代にさかのぼります。当時の高松藩主松平頼重(まつだいらよりしげ)は、度々この地を襲う干ばつに困り果て、ため池築造の命令を出します。そして、それを命じられたのが、頼重の家臣でもあり土木技術者の矢延平六(やのべへいろく)でした。平六は早速、香川町に大きなため池を築造します。こうして、1661年~1673年で、新池が完成しました。このため池により、周りの田畑は潤い、干ばつの被害から救われた農民は平六に感謝しました。しかし、ため池があまりに広大すぎたため、「高松城を水攻めするたくらみがあるのでは」と藩に言い出すものが現れます。平六は藩に捕えられてしまい、ついには讃岐から阿波の国(徳島県)へ追放されてしまいました。
このことを悲しんだ農民たちは、新池を見下す高塚山(たかつかやま)の頂きに祠(やしろ)を立てました。そして、平六の冥福を祈るとともに、豊作を祈るため、追放された旧暦の8月3日に祭りが行われるようになりました。

「ひょうげ」とは、讃岐の方言で「ひょうきんな」「おどける」といった意味があります。かつらや着物、さらには神輿(みこし)など、この祭りで使われる道具のほとんどが、カボチャ・ナスなどの農作物で作られ、そうした祭り道具をまとった行列がおどけたものであるため、「ひょうげ祭」と呼ばれるようになりました。
このように、このお祭は、平六を慕い彼の功績を高く評価しながらも、藩主の下した国外追放の罪について表向きは反対できないもどかしさから、このような面白おかしい仮装行列によって、ひょうげる(讃岐弁で、おどける、という意味)ことで、藩主に抵抗したお祭りなのです。
ひょうげ祭りは香川県の有形民俗文化財に指定されていて、この週末の9月9日にも行われる予定です。高松では一番面白いお祭りですね。
讃岐地方は、出身者の弘法大師の影響下にありますので、1200年前に空海が留学した唐の都から持ち帰った「うどん」「小麦粉」「豆腐」「高野豆腐」「豆類」を昔から食べることが習慣になっていますので、郷土料理の代表に、ソラマメを炒って甘辛く味付けた「醤油豆」がありますし、アンパンよりも、金時豆をパンに入れた、豆パンの方が、香川県では昔から親しまれています。「ひょうげ祭」もソラマメを使ったお菓子のモティーフになって、「ひょうげ豆」というお菓子が高松では昔から親しまれています。

高松市兵庫町商店街に、「株式会社豆芳」というお菓子屋さんがあって、そこは、昔から「ひょうげ豆」を作って売っていますが、いろんな色とりどりのソラマメの詰まったお菓子です。
下記の讃岐弁の一文が、このお店の会社理念になっています。香川県出身の方ならば、説明しなくても意味は理解できると思います。
讃岐弁ではお客様に対して、「お召し上がり下さい。」とは言いません。「つまんでいた~」、「食べてーたー」、あるいは、「食べてんまい」、あたりで、顧客に売ることが可能な、のーーーんびりしたところなのです(笑)。
「道端でなんやけん。まあ、あがりまーせ。めんめでこっさえたいろせなお菓子があるけん、つまんでいた~。」
掲載写真は、ひょうげ祭、の仮装の数々です。全部農作物で出来ているところが可笑しいですね。

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2012年05月03日
「うどん県にウチもなる・島根県」

まずは、下記動画をご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=J5U7OWZaWcc
「47番目に有名な」島根県が、「うどん県にウチもなる」と言っているこの動画は秀逸です。
それは、使っている音楽が、ホルストの「惑星」の『木星』の前半だからです。
『木星』は中間部が平原綾香の歌で「ジュピター」として、癒しの音楽として有名になりましたが、原曲の作曲家のホルストの意向では、『木星』=快楽の惑星、ということで、とても前向きで楽しい作品なのです。
それを前面に押し出したこの動画は実に素晴らしいですね。

島根県は自虐的なPRを展開していますが、何と言っても、出雲大社があって、神道の聖地なのですから、それは、無理というものです。
四国霊場八十八ヶ寺、讃岐うどんを始めた弘法大師の生誕地のうどん県は仏教の聖地ですから、タッグを組めば、素晴らしいと思いますので、ご近所ですから、是非、一緒にやりたいですね。
「うどん県」には、三豊市大野原町に、「讃岐うどん神社」があって、役割を終えた、うどん鉢の供養などもなされています。
が、高松市の「田村神社」、宇多津町の「うぶしな神社」では、讃岐うどんを提供していますので、この二つの神社と「出雲大社」が提携すれば、タッグは簡単に出来ます。
すなわち、「うどん県」のうどん職人が島根県に行って、「出雲大社」で手打ちしてうどんを振舞えばOKです。

うどんメニューは、宍道湖のシジミを使った、高松では既にうどんメニューに入っている「シジミ味噌煮込み讃岐うどん」を「出雲大社」で販売すればよいのです。
この結果、島根県が直ちにうどん県になれなかった時、次の島根県の自虐的PRにも結びつきますし、香川県は、神道と仏教は別のものですから、言い逃れは簡単に出来ますので、一挙両得なのです(笑)。
掲載写真は、順に、三豊市大野原町「讃岐うどん神社」のうどん鉢の供養、「縁結びのうどん」に変更したらいいと思う「出雲大社の縁結びの糸」、「出雲大社」で振舞えばいいと思う高松市「六平」の『シジミ味噌煮込み讃岐うどん』、です。
2012年04月15日
お花見会を終わって

今日のお花見会はとても和気藹々とした楽しいものでした。
私は、津軽三味線奏者の筒井君と一緒に、ミクシィ、フェイスブックで出会った、M君やK君が主催しているオフ会ということで参加していたのですが、共催の集まりが別にあったため、全部で105人という規模でした。
まず第一に、高松市内を中心にした、ありとあらゆる職種の若者が集まっていました。
また、マジックをするなど、多趣味な人達が多くいらっしゃいましたので、とても話題豊かで楽しかったです。
いろんな人達がいっぺんに集まった状況でしたので、初対面の人が多く、何かと驚きの多い集まりでした。

ものすごい量のお肉、野菜、きのこ、などの、バーベキューパーティーが、午後12時半から始まり、最後のしめの焼きそばまで、約2時間が終わった所で、何の司会もなく、いきなり、筒井君が津軽三味線を弾き始めるようにしておきました。
ご高齢者が多ければ、式次第のようなものは必須で、「それでは、筒井さんの演奏による津軽三味線をお願いします。」というアナウンスがないと、進まないのですが、若い人たちばかりだと、音楽のライブはいきなり目の前で始めた方が衝撃度も高く、一度に受け入れられるものなので、M君にあらかじめ、そう言っておきましたが、そのとおりになりました。
音楽は日常的に楽しむのが最高に素晴らしいことを、私は東京で実感していましたが、そのとおりになりましたので、よかったです。
また、隣のグループに子供達が一杯いたのですが、すぐに、津軽三味線にさわりたいということでいらっしゃいましたが、こういうことは、あたり前なのですね。
でも、正直感じたのですが、お花見には、三味線の音色が似合いますね。適度のアルコールはちょうどいいですね。
最後に、筒井君の車に載せてもらって失礼しようとしたら、若者が一人車に近づいてきて、御礼を言われご挨拶までして下さったので、とても性格のいい若者達の集まりに参加出来てよかったなあ、と思いました。
こうして帰宅して、ちょっと、洗濯物を整理してから、自転車で、兵庫町商店街まで夕食を食べに出かけました。

今日は、「うどん市場・兵庫町本店」に行って、『骨付き鶏』『冷たいワカメうどん』『ニンジンの煮浸し』をいただきました。この店は、『骨付き鶏』が、550円で激安なので、びっくりしました。
やっぱり、高松はいい町ですね。今日は本当にほっとして癒される一日でしたので、夜、自宅で一人、ドビュッシーの「映像」を弾きたくなって演奏しました。
掲載写真は、順に、一緒に参加した若い皆様との写真、バーベキューを焼いている筒井君、「うどん市場・兵庫町本店」の『骨付き鶏』『冷たいワカメうどん』『ニンジンの煮浸し』、です。
2012年04月09日
桜満開の高松

相変わらず、暖かいとは言えないのですが、例年どおり、高松は桜が満開になりました。
昨日の夜、東讃交通のタクシーを呼んで乗ったので、いつもどおり無愛想な運転手のおっさんだろうと思っていたら、女性ドライバーでしたので、ほっとしました(笑)。
この頃は、不景気が日常的になっているので、専業主婦の方は少なく、共働きが普通なので、当然、女性タクシージライバーも増えているのですね。
「夜までご苦労さん。日曜日やけん、いつもどおり、夜は人出少ないんやろう。」とお聞きすると、
「はい。今日の昼間は、お花見で人出は多かったのですけど、夕食は皆さんご自宅のようで、食べに出ている人は少ないですね。」とのことでした。
「ほんまにのう。今の政治家はマクロ経済学の勉強不足でっせ。消費税上げないかんのはわかるんやけど、この景気が下向きのときに、『もうちょっとしたら、消費税上げまっせ。』いう予告するだけで、国民はみんな将来に対して“弱気”になって消費が落ち込むんはわかりきったことやのに、官僚の機嫌とって、長いこと総理大臣やって銭儲けすることしか考えとらんのやけん、いかんのう。ほんだけん、お花見の後、外食する人が減ったんや。鳩山は、『ヒヨドリが鳴いたけんやめます。』言うてやめたはずやのに、まだウロウロしよるし、管は、福島原発に電気供給するバッテリーが縦何センチかいうことが一番の重要課題みたいな技術バカやったし、ドジョウが消費税上げるんに命かける言うて騒っぎょるけん、くそぼっこの総理が続いてわやや。ドジョウは香川県に来たらええんや。みんなでドジョウうどんにして食べてしもうたら、景気もようなるわ(笑)。」
などとお話ししておりましたが、桜は満開なので、私の住む、西宝町は、桜がいっぱいなので、街中からずっと桜が咲き誇っています。

桜には、人間のような金銭欲などの煩悩がないので、素晴らしいことですね。
掲載写真は、順に、私の自宅向かいの、四電工香川支店前の、毎年美しい花を咲かせる桜、その並びの「FM香川」前の桜並木、その向かいの「JR四国研修所」前の桜、です。
まだ寒いので、栗林公園には行く気がしないのですが、一昨日の土曜日、公渕森林公園へお花見に行った友人の話では、寒くて風が強かったので大変だったそうです。
お花見会は、今度の日曜日、4月15日、郷東川の河川敷に、若い友人達と行きますので、私の親友の津軽三味線奏者の筒井君も誘って、散り行く、あるいは、散ってしまった桜を眺めて三味線を聴く、風流なお花見会にする予定です。
私は、桜を見るだけに行くのはつまらないと思っていますから、三味線のライブくらいないと、わざわざ出かけて行きたくないのです。

今年のお花見が、散り行く桜を眺める集いになる、ということは、今の日本の落日を象徴しているような気がしますね。
2012年03月04日
「大日本社員食堂」の『トマト塩ラーメン』

昨日、私は、高松で久しぶりに美味しいラーメンをいただきました。
高松はうどんの故郷ですので、北海道や福岡から来た支店やFCのラーメン屋、博多まで修行に行った若者が始めた「喜楽」以外の、高松のオリジナルラーメンで美味しいものは早朝の、製麺所の讃岐ラーメンだけなので、まあ、普通に高松にいらっしゃったら、ラーメンの美味しいお店は、わずかしかない、と、あきらめていただくほかありません。
が、高松市のど真ん中の中央商店街の一つ、南新町に、農家の有志の皆様が始めた、JAの産直店よりも安く、新鮮で美味しい野菜を売っている「農民一揆」の奥に開店した、「大日本社員食堂」の、ランチタイムからディナータイムの間限定の、『トマト塩ラーメン』をいただき、素晴らしく感動しましたので、そのことを書きます。
まあ、何が素晴らしいって、この『トマト塩ラーメン』のダシが素晴らしいのです。朝採れトマトを鶏がらのダシで煮込んでいる塩味のスープなのです。しかも、シナチクやチャーシューを入れず、半熟のスクランブルエッグと、親鶏を蒸したものが載っているのですが、これの、トマトとの相性が抜群なのです。甘味は全てトマトから出ているのですから、たまらなく美味しいのです。
そして、ダシの素晴らしいこのラーメンは、スープとしても素晴らしくいただけるので、当然のように、白飯か、玄米ご飯がついて、500円なのです。もちろん、前回、この店のランチが素晴らしいことをご紹介した時と同様、朝採れ野菜の漬物はサービスですし、ドリップコーヒーもタダで何杯でもおかわり自由なのです。
素晴らしく美味しかったので、ちょうどいらしていた女性客二人連れ(お母様とお嬢様)の方と感心してお話しながらいただいていましたら、ご主人が出てこられたので、いろいろおしゃべりしました。
そして、この、「大日本社員食堂」を始めた理由をお聞きして、とても感動してしまいました。
2~3年前から、新鮮な野菜を使った食堂をやっていたそうなのですが、ある日から毎日食べにいらしていた一人暮らしの高齢のおじいさんが来なくなって、少しして久しぶりにいらっしゃったときに、聞いたところ、景気が悪くなって節約しないといけないので、外食はやめて、社会福祉協議会が配ってくれるお弁当にしたんだ、とのことだったそうですが、そのおじいさんは、昼食時に社会との接点をキープしていたいので、この商店街に来て、ここで食事をすることが楽しみだった、とのことでした。
これを聞いたご主人は、このニーズにこたえるため、お弁当持込可能の食堂にしたのだそうです。だから、ドリップコーヒー、お茶、お漬物を全ての客に無料で提供しているのです。
しかし、ご年配者は、ただで居座ることはしないのですね。だから、温かいお味噌汁だけは注文することが多いのだそうです。
若い店員さんなどとおしゃべりできることが、一人暮らしのお年寄りにとっては一番いい栄養になるのだ、とのことでした。
南新町の隣が、商店街活性化に成功している丸亀町商店街で、そのアーケードの両側のマンションは高齢者で満室状態ですが、さらに高齢化が進むと、今は老夫婦が健在でもそのうち片方がなくなることもあるでしょうから、こういう街中の憩いのスペースが、この先の少子高齢化社会では必須になると思いますので、素晴らしい方針だと思いました。
まあ、高松市内は、うどん店だらけですし、うどんは安いですから、高齢者が一杯になってどうしようもなくなれば、讃岐うどん店を統括している香川県庁が、全ての讃岐うどん店を弁当持込み可にすれば、大丈夫なのですよ。
お弁当を持ってゆけば、かけうどんは150円でいただけますから、OKでしょうね。
先般の埼玉県などの首都圏での餓死者のような、対話がないため、生きているのか死んだのかわからないような状況は、こうした取り組みが始まっている高松ではあり得ないことなのですが、各地方都市では、地域コミュニティーが残っていますから、あのような首都圏のような無慈悲なことは起こらないのであります。
まあ、孤独死してまで守らないといけないプライバシーなどは絶対に存在しないと私は確信していますので、個人情報保護法のようなものは、さっさと廃止した方がいいですね。
掲載写真は、「大日本社員食堂」の『トマト塩ラーメン』です。