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Posted by あしたさぬき.JP at

2011年05月22日

『こんにゃくの白和え』・・・節分の砂おろし








「こんにゃくは体にえんぞ。こんにゃく食べたら、体中の砂が外に出るけんの。」



旅館を経営していた祖父は、いつもそう言って、ぼくにこんにゃくを、白和えにして食べさせました。



「ほんだら、おじいちゃん、こんにゃく食べよったら、砂が全部外に出るけん、盲腸にはならんのな。」



「そらそうじゃ。」



こうして、ぼくは、こんにゃくを好んで食べるようになりました。おでんも、真っ先にこんにゃくを取るようにしていました。



でも、祖父の没後、24歳の時、住友信託銀行松山支店在勤当時に、退職金の活動の過労から、ぼくは、盲腸になってしまいましたので、祖父の言っていたことは嘘だとわかりました。



しかもね、手術してもらって入院した、道後のぼくが外勤で担当していた取引先だった「桑折外科(こおりげか)」では、だいぶ良くなった頃、食事に、『こんにゃくの白和え』がついて出ましたので、今頃出るなんて、手遅れだよ、何て思ったりしました(笑)。



が、昔から、香川県では、一年の砂おろしといって こんにゃく料理を節分に食べる習慣がありましたので、祖父の言ったことはまんざら嘘でもなかったのです。



しかも、盲腸が手遅れで、1ヵ月近く入院したお陰で、最後の方は暇だったので、ピアノ組曲「病床にて」OP.55 という作品も作曲できましたし、この組曲の第2番の『点滴の詩(うた)』は、住友信託銀行会社概要に掲載されて、有名になってしまったので、入院もまんざら悪いことじゃないのです、ぼくの場合は(笑)。



まぁ、点滴をモチーフに音楽作品にした人は、あんまりいないだろうと思いますし、J.S.バッハ、モーツァルトやショパンの生きていた頃は、点滴はなかったと思いますので、モチーフにはならなかったと思いますけどね。



『こんにゃくの白和え』は、香川県の郷土料理の一つで、白味噌をベースにして、こんにゃくを、豆腐、人参、いんげん、ほうれん草、しいたけなど千切りにした野菜と一緒に和えたものです。



今は、どこのスーパーでもお惣菜コーナーに売っているので、日常的に定着していますね。



掲載写真は、「ゆめタウン高松」で買ってきた、『こんにゃくの白和え』です。






  


Posted by 岡田克彦 at 23:58Comments(0)讃岐の郷土料理

2011年05月21日

『鰆(さわら)の味噌漬け』






鰆(さわら)の押し寿司のところでご案内したように、鰆(さわら)は、瀬戸内では春の魚の代表です。



高松では鰆の味噌漬けが、郷土料理になっているほど、非常に大切な料理です。



香川県三豊市仁尾町仁尾浦が、京都加茂神社の「海の荘園」だった平安時代、獲れた魚をおいしく献上するために、いろいろな工夫がなされましたが、鰆の味噌漬けは、おいしさを保つための知恵と、独自の味付けから生まれました。



かつては、家ごとに自家製の味噌があったようですが、今では、スーパーでも魚屋さんでも買うことが出来ます。



贈答用としても、よく使われます。



掲載写真は、鰆の味噌漬けです。高松市内では、お寿司屋さん、割烹、居酒屋のほか、天麩羅専門店にも置いています。



『鰆(さわら)の味噌漬け』は、私の好物の一つで、少なくとも、『サーロインステーキ』よりは、はるかに、文化水準の高い食べ物(笑)だと確信しています。



大体、私は、肉料理においても、ナイフとフォークでいただく『サーロインステーキ』のような野蛮な食べ物よりも、お箸でいただく、しゃぶしゃぶや焼肉の方がはるかに好きですが、戦争でアメリカに負けた記憶が払拭できない、私の両親の世代の戦中派の皆様は、『サーロインステーキ』が大好きなようですね(笑)。



歴史的にも、私は、広い意味での、アジア人だ、と、痛感しています。



ところで、ここのところ、私のブログでは、東京電力と電力会社と癒着していた経済産業省のことについては書いていません。



全く、言語道断の、人命無視のひどい出来事ですけど、つきつめれば、人の命よりお金が大切な、拝金主義者のやったことですから、ひどい時代になったものだと思っています。



既得権、たんす預金、保身に執着する一生ほど、おろかな生き方はないのですけど、愚か者は死ぬ時に、自分の、既得権、たんす預金、保身への執着で、どれほど酷いことをしたのか、気づくのでしょうけど、白骨になる直前ですから、全て、手遅れなのです。本当に可哀相な物体ですね。






  


Posted by 岡田克彦 at 12:24Comments(0)讃岐の郷土料理

2011年05月20日

『おてんぷら』・・・『天麩羅』と『おてんぷら』の違い














讃岐うどんセルフサービス店のトッピングコーナーでご案内しましたけど、香川県では、『天麩羅』と『おてんぷら』は、別の食材です。



『天麩羅』は、ふつうの、小麦粉の衣をつけて揚げたものです。



が、香川県では、昔から、瀬戸内でとれた白身魚をすり身にして、揚げたもの、いわゆる、練り物の「さつま揚げ」に相当するものも、天麩羅、と呼んでいました。



ややこしいので、高松市内では、微妙に変えていて、ふつうの、小麦粉の衣をつけて揚げた『天麩羅』を、『天麩羅』と呼び、練り物の方は、『おてんぷら』と呼んでいます。



香川県のさぬきうどん店に行かれたら、どっちのてんぷらをトッピングするのかを、選ばないといけません。



県外の皆様は、ゲソ天、半熟ゆで卵天、高野豆腐天、竹の子天、アナゴ天、金時豆のかき揚げ天、等、所謂、『天麩羅』をかけうどんに載せることにご興味があると思いますけど、毎朝、うどんを食べることを考えたら、『天麩羅』をかけうどんに載せるものは、決して、ヘルシー指向ではないのです。揚げた油がイリコだしに溶けた状態では、油自体は、酸化してしまいますからね。



従って、私などは、かけうどんにトッピングするものは、朝うどんでは、『おてんぷら』のことが多いです。



その方が、うどんの麺の香り、イリコだしの香りは、本来の風味で楽しめますからね。



『おてんぷら』は、瀬戸内でとれた白身魚をすり身にして、揚げたもので、平天、細天、丸天という形をあらわしたものや、小エビ、たこ、いか、きくらげ、紅しょうがの入ったものがあります。



うどんに載せて食べても美味しいですけど、温かいご飯に添えて、大根おろしショウガと醤油をかけていただくと、とても美味しいのですよ。



掲載写真は、いろんな『おてんぷら』、です。







  


Posted by 岡田克彦 at 18:29Comments(0)讃岐の郷土料理

2011年05月19日

『てっぱい』








「克彦、わしの作った『鉄砲あえ』どうじゃ。」



「おじいちゃん。ものすごく美味しいで。ほんだけど、なんでこの食べ物『鉄砲あえ』いうんな。どこにも、鉄砲や入ってないのに。」



「どうして『鉄砲あえ』言うんかわしも知らんのじゃ。」



「そらいかんで。ちゃんと調べなんだら、お客さんに聞かれたらどなんするんな。」



「・・・・・」



「ボンは、また、おじいちゃんに屁理屈言うていじめよる。ごじゃごじゃ言わんと、しゃんしゃん食べまい。」



「竹井さんは知らんのな。」



「わしもよう知らんけど、たぶんの、鉄砲がヨーロッパからやって来た頃に出来た和え物で、みんなが『うまーげな和え物じゃ』言うて食べたけん、そうなったんとちゃうかいの。鉄砲はええもんやったけん、織田信長はあれで全国を統一したけんの。」



「ああ、そうやったんな。鉄砲くらい美味しいけん『鉄砲あえ』になったんな。」



・・・・・・・・・・



ぼくが小学校に入った頃、旅館を経営していた板前の祖父が作ってくれた「鉄砲あえ」を花板の竹井さんと一緒に食べて、ものすごく美味しかった時のことでした。



竹井さんは、おじいちゃんの弟子で、旅館の花板をしていました。が、この人の教えてくれたことは、大体、デタラメでした(笑)。



だって、竹井さんは、レタスのことをニューヨークと呼んでいましたので、どうしてなのか聞いたのですけど、外国から来たものは、全て、ニューヨークと呼んでいましたので・・・・・、ですから、ぼくは納得したわけではなく、あまりにも美味しかったので黙ったのでした(笑)。



・・・・・・・・・・



讃岐の郷土料理の代表の、『鉄砲あえ』『フナのてっぱい』をご紹介します。



この料理は、晩秋から冬にかけての讃岐を代表する郷土料理です。



『鉄砲あえ』と呼ばれていた理由は後日調べてわかりましたが、フナを使った料理だったためです。フナのことを鉄砲と呼んだことから『鉄砲あえ』という名がつき、それがなまって『てっぱい』となったのです。



『鉄砲あえ』は、もともと、フナやコイを三枚におろし、細く切って塩酢に漬け、数時間置いたものを白みそであえ、ダイコンやニンジンなどをまぜ合わせた和え物なのです。



農繁期が終わり、秋から冬にかけて溜池の水を抜いた後、「ふな」を捕って作ったもので、寒ぶなは臭みがなく脂がのっていて、大変おいしかったのです。溜池の多い香川県ならではの、たんぱく源を求めて出来た料理だといえます。



もちろん、その後、フナは入手困難になりましたので、代わりに「さば」や「このしろ」を使って作られています。祖父の作ってくれる『鉄砲あえ』には、「このしろ」が入っていました。



が、この「てっぱい」は、本当に美味しいです。ぼくは、毎年、冬が近づいてくると、香川県内のスーパーは、どこでも置いていますので、買っていただくようにしています。



また、高松市内のさぬきうどん店、割烹、定食屋も、秋口から、「てっぱい」を置いているところが多いので、この時期に香川県にいらっしゃったら、是非、お試しください。



以前ご紹介した、高松市のさぬきうどん店・『あわじ屋』〔香川県高松市丸の内7-34 087-821-6948 (平日)9:30~18:00 (土・日・祝)9:30~16:00  日曜日休み〔月一回不定〕〕の「てっぱい」はとても美味しいです。



日本酒には、素晴らしく合うのですよ。



掲載写真は、高松市の割烹でいただいた、「コノシロのてっぱい」、です。






  


Posted by 岡田克彦 at 21:37Comments(0)讃岐の郷土料理

2011年05月18日

『ワケギ和え』・・・ぼくの大好きな、春の讃岐の伝統料理










讃岐の伝統料理の、春先の和え物は、『分葱(ワケギ)和え』です。名前通り葱の根元が一つの根からわかれている野菜です。



春祭りの食卓には欠かせないもので、お寿司や天ぷらと一緒に並んだものでした。



まて貝、あさり、タコ、油揚げなどと共に、ワケギを酢味噌和えにしたものです。



個人的に、ぼくは、この『ワケギ和え』は大好きな、讃岐の伝統料理で、今でも、春先には、スーパーに出ているので、買ってよくいただきます。



春がたんだな、という感覚に浸ることのできる大切な料理です。



掲載写真は、ぼくの大好きな、あさりの入った、『ワケギ和え』です。














  


Posted by 岡田克彦 at 23:24Comments(0)讃岐の郷土料理

2011年05月17日

『まんばのけんちゃん』・・・讃岐郷土料理の箸休め






『まんばのけんちゃん』と言う食べ物は、たぶん、高松でも若い人達は知らないかもしれませんね。



でも、ぼくが子供の頃は、しょっちゅう食卓に上る、さぬきの郷土料理の代表的な食べ物でした。



『まんばのけんちゃん』という呼び方は、東讃(香川県の東地区)の呼び方で、西讃(香川県の西地区)では、『ひゃっかの雪花(せっか)』と呼びます。



さて、『まんば』とは、『万葉』のことで、「タカナ」の一種です。有色野菜の少ない冬に暗紫色の葉を伸ばし、葉を外側から取っても次々芽をふくことから、『万葉』と呼ばれました。



そして、『けんちゃん』は、人の名前ではないのです(笑)。



『まんばのけんちゃん』は、『まんば』の油炒めに豆腐を入れて炒めたしっぽく料理だったので、「けんちん」がなまって『けんちゃん』となったのだそうです。



『まんばのけんちゃん』は、『まんば』を煮こぼした後、およそ一日水にさらして十分アクを抜いたものに、豆腐、油揚げ、薩摩揚げの天ぷら(練り物)、煮干し、いりこ等を入れて煮びたしにしたもので、醤油味です。



ぼくは好き嫌いのない方だったので、いつも美味しくいただいた記憶しかないのですが、この、『まんばのけんちゃん』ばかりは、各家庭ごとに味が違っていた記憶があり、当然ながら、母の作ってくれる『まんばのけんちゃん』が一番好きでしたね。



『まんば』は、ホウレンソウ並の栄養がある野菜で、特にビタミンCはホウレンソウの2倍もあります。



また、『まんば』は、下葉をちぎりながら秋から春先まで収穫できる野菜でしたので、昔の讃岐人の貴重な生鮮野菜でした。



従って、春へんろの時期には、讃岐うどんにまんばをのせてお接待としてふるまっていたという歴史があります。



掲載写真は、 『まんばのけんちゃん』、です。








  


Posted by 岡田克彦 at 23:04Comments(0)讃岐の郷土料理

2011年05月16日

『ちしゃもみ』・・・・・讃岐の春のサラダ





鰆の箱寿司と一緒にいただく、讃岐の春の郷土料理を今日もいただきました。それは、『ちしゃもみ』です。



ちしゃ(チサ)は、今では貴重な伝統野菜のひとつになってしまいましたが、昔はどの農家の畑にも植えられていたサニーレタスに似た野菜です。



春のお祝い事のもてなしの一品に欠かせないお料理が『ちしゃもみ』でした。あくが強いので、あく出しのため一度もんで調理することから『ちしゃもみ』と呼ばれました。



いりこを小さく割いたものやさわらの酢漬、いかなごを入れたりし、素朴な味のサラダでしたね。



父方の祖母の一族が陵南町で大きな農家をしていましたので、遊びに行った時には、いつもいただきました。



最近は、珍しい野菜になってしまったため、たまに、懐石料理なんかでついていたら、本当に嬉しくて、いただきます。



掲載写真は、今日、スーパー「マルナカ」で買ってきていただいた、『ちしゃもみ』です。全くサニーレタスのサラダのように見えますけど、ドレッシングではなく、酢みそといりごまで合えているのです。



叔母がレタスで代用して作ってくれたことがありましたけど、やっぱり味が全然違うのですね。





  


Posted by 岡田克彦 at 23:38Comments(0)讃岐の郷土料理