2011年10月02日
寒くなった今時も、うどんは美味しいです。

ここのところ急に寒くなりましたけど、こういう時も、うどんは美味しいですね。
暖かい蕎麦よりは、暖かいうどんの方が美味しいですし、うどんの聖地の香川県の県庁所在地の高松市では、根菜類を煮込んだ『おしっぽくうどん』、味噌仕立ての『打ち込みうどん』、醤油味の『鍋焼きうどん』、秋限定の『マツタケうどん』、などの昔からのメニューもあるのですけど、昨今の創作うどんの中ではとても温まるので有名になった『キムチうどん』、『豚骨うどん』、『ホルモンうどん』等、美味しいものが増えていますので、年中、うどんは楽しめます。
もちろん、「土三寒六」という、讃岐うどんのこしの強さを決定する、昔からの鉄則によって、どの讃岐うどん屋も、まともなところは、寒くなってきたら、小麦粉を溶く塩水の塩加減を薄くして、こしを弱くしていますので、熱いうどんを口の中で長くキープすることによって、温まるのですよ。
その点、寒くなったときに、こしをゆるめているかどうかは、その店のうどん職人さんの力量をチェックできるのです。
昨日、私は、「さぬき麺業」で、夕食に暖かい温泉卵ぶっかけうどんをいただきました。この店は、香川社長以下、素晴らしいうどん職人さんがそろっているので、絶対に失望しないからですが、こしをゆるめた、素晴らしいうどんを、ミンチカツやレンコンの天麩羅と一緒にいただきました。
昔から、讃岐うどんは縁起物なので、長いほうがいいのですけど、私の住む高松市内では「さぬき麺業」のうどんが、一番長いですね。
昨日、私は、うちからも近い、「さぬき麺業・錦町支店」でいただいたのですが、麺のこしのゆるめ方も、イリコだしの加減も抜群でしたし、小麦粉の値上げに対抗して、まだ、かけうどんを170円で提供していたので、若い店長に、「頑張ってるね。」と声をかけて美味しくいただきました。
で、いろいろお話しすると、彼は、高松市一ノ宮町の出身で、香川さんのところで修行して、今は、錦町店長になっている、とのことでした。
「いずれ、自分で新しいうどん店を持ちたいんです。」
と、夢を聞かせてくれましたので、頑張ってほしいな、と思いました。

すごく美味しいうどんだったので、帰りしなに、3玉(といっても1玉80円ですから、安いのですけど)買って、帰りました。打ち立ての生うどんですから、美味しいに決まっていましたけど、夜食に、暖かい『生醤油うどん』(温めて丼に打ち上げて、味の素と醤油をかけるだけの、本来の、讃岐うどんの食べ方)でいただきましたら、本当に素晴らしく美味しかったので、感動しました。
こういう日常会話が出来る点が、香川県の地域コミュニティーでは、必須なのですね。
いろいろおしゃべりしていましたが、それだけに、若い彼は、仙台にボランティアで行ったのだそうです。
「もし、あんな津波が高松にやってきて、町が崩壊しても、絶対に故郷は復活させたいと願いますよね。」
と、とても、頼もしいことを言っていましたので、香川県は、どんな天変地異があっても、1200年の歴史のある、讃岐うどんを中心にした地域コミュニティーで立ち直れるだろう、と私は確信しました。
掲載写真は、彼が作ってくれた、素晴らしいのどごしの、「さぬき麺業・錦町支店」の、『暖かい温泉卵ぶっかけうどん・レンコンの天麩羅載せ』と『ミンチカツ』、店内の「手打免許」の札、メニューの一部、です。
「企業は人なり」と、松下幸之助氏が言っていますが、まさしくそうですね。「さぬき麺業」の香川社長は、素晴らしい人材を育てているなあ、さすがは、「讃岐うどん協会」の会長だ、と納得しました。

それはそうと、香川県の恥の、偽者讃岐うどん店の「はなまる」が、中国の上海に支店を出したそうですね。中国には、既に、香川県でちゃんと修行した若者が「土三寒六」という、素晴らしい讃岐うどん店を開店させていますので、今頃になって「はなまる」のような、きちんと、人材を育成していないようなお店が出かけていっても、無理でしょう。中国の人だって、味覚があれば、「はなまる」が不味いことくらいは認識できると思いますからね。それに、食文化において、中国は世界一なのですから、中国でも日本同様、「はなまる」が失敗することは見えていますね(笑)。「はなまる」は、「吉野家」にM&Aされたのですから、さっさと牛丼店に変えてしまえばよいのです(笑)。
Posted by 岡田克彦 at 04:49│Comments(0)
│讃岐うどん