2011年10月05日
「ばん家」の『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』


昨日は、「サウナゴールデンタイム」へ行って、ゆっくりしました。そして、サウナのあと、絶対にいただくことにしている、「ばん家」の『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』(270円)をいただきました。
「サウナゴールデンタイム」は、もともと、旅館『満月荘』のオーナー社長の深田さんが経営していたのですが、東京の大資本にM&Aされてから、サウナのあとのサウナの中の食堂のうどんが不味くなりましたので、M&Aされたことなどをお聞きしなくても、讃岐うどんに親しんでいる高松生まれの私には、すぐにわかっちゃうのです(笑)が、サウナに入った後は、火照った体を静めるものは、私の場合、『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』がよいので、それをいただくようにしています。
昔は、「サウナゴールデンタイム」のある高松市瓦町に、「さぬき家」という、『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』の素晴らしいお店があったのでそれを愛用していましたが、私が高松にUターンする少し前の2004年に営業を停止しましたので、このあたりでは、高松市亀井町の、「うどん棒」の冷たい系統のうどんがよいので、そちらを使っていましたが、『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』については、「うどん棒」は、イマイチだと感じていました。
「うどん棒」の冷たいうどんの麺は、少し伸びる麺として有名なのですが、少し伸びる麺の表面の喉越しは、タコの天麩羅を載せていただくと美味しいのですけど、ナメコとの相性は、伸びない麺の方がいいな、と私は感じていました。また、決定的なことは、ぶっかけダシで、『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』については、「うどん棒」は薄すぎるのです。もっと甘くて濃い味でギンギンに冷えていた方がいいな、って感じていました。
ところが、2002年に、香川県庁の斜め向かいの菊池寛通りぞいの番町に、「ばん家」が開店しましたが、この店で私が食べた、『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』のダシは、かつての「さぬき家」のものと極めて近かったので、嬉しくなってしまったものでした。
時あたかも、2000年の岡山後楽園築庭300年祭に、石井岡山県知事に頼まれて、本番が1週間後ですけど、江守徹さんなどの竹久夢二などの岡山出身の文人の朗読会での、朗読文面にあわせたコラボピアノ曲を作曲して出演して欲しい、との依頼が来たので、文面を自宅にFAXしてもらって30曲をその日に作曲して五線紙に落として東京の事務所にFAXバックしてOKをもらって、マリンライナーに乗って、本番に行って、ほとんどぶっつけ本番で成功させた直後のことでした。
介護していた母の手を引っ張って、錦町の叔母が後楽園まで連れて来てくれたので、早稲田大学政経学部経済学科の同窓生の平野憲一郎君が、日経新聞岡山支局長だったので、岡山ロータリークラブの仲間と一緒に、母、叔母と、当時東京にいた弟が聴きに来たので、一緒に大歓迎してくれたので、「よかったなあ。親孝行出来たな。」と感じていました。
でも、当時の香川県庁は、県立公園の栗林公園で何の音楽的イベントをやっていなかったのでした。
岡山後楽園の楽屋で、江守さんから、「岡田さん。あなたの住んでいる高松の方が、朗読の題材はいっぱいあるんだよ。『平家物語』があるじゃない。菊池寛も向田邦子も高松にいたんでしょう。少なくとも、岡山県がステージの『犬神家の一族』よりは、はるかにいい作品が一杯あるのですよ。高松の皆さんも、うどんばかり食べないで、ちょっとは文化的なことを考えましょう。」なんて言われて、恥ずかしい思いをしていた頃でしたので、「ばん家」を出たところからすぐに見える、香川県庁をにらみつけたものでした(笑)。
が、母の没後封切られた映画「UDON」に、江守徹さんが、讃岐うどん評論家の役で登場して、「香川県は、うどんの聖地。」と叫んでいるのを見て、おかしくて吹き出したので、「どうだ参ったか。朗読だけじゃなく、讃岐うどんも素晴らしい文化なんだぞ。高松をナメんなよ。」と思ってすっきりしたものでした。しかも、その頃は、香川県庁も「栗林公園庭園コンサート」を開始していましたので、「ばん家」を出たところから見える「香川県庁東館」は、丹下さんの若かりし頃の設計だったので、「どうだ、岡山県は、ただの、新幹線の通過駅だ。第一、弘法大師や平賀源内以上の人材を輩出していないじゃないか。しかも、こんな美味しいうどんは岡山にはないんだぞ。参ったか。」なーんて、偉そうないい気分になったものでした。
私は、実に身勝手な作曲家なのだ、ということの象徴的な出来事として、この話は、いつも、私の高松ファンクラブがやってくれるホームコンサートでは披露して、みんな爆笑するのですよ。ちなみに、岡山市と仲の悪い倉敷市でのコンサートでも、この話題は、爆笑の材料になっています。
社会的な影響なんてどーでもいいのです。プレイアーとリッスナーが楽しければ、サロンコンサートは成功なのですからね。しかも、この程度のふるさと自慢は、その地域に住んでいる人の、地域コミュニティーの強化には役立っているのです。
最近の出来事に照らすならば、福島県在住の作曲家が、東京電力の応援ソングなんて、絶対に書かない、ということですよ。
今後、首都圏、関西方面、愛知県界隈で、電気が足りないのならば、首都圏は、六本木ヒルズと国会議事堂の隣に、関西方面は、中ノ島に、愛知県界隈は、名古屋テレビ塔の隣に、原発を作ればよいのです。まさに、地産地消にすればよいのですからね。食品だけじゃなく、電気も新鮮さが一番なのです(笑)。放射線は、それぞれの地域在住の皆様の(竹中平蔵氏の言う)『自己責任』で処理すればよいのです。

掲載写真は、順に、かつての、「さぬき家」の『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』、昨日サウナの後、いただいた、「ばん家」の『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』、「ばん家」を出たところから見える、丹下さん設計の「香川県庁東館」の上に広がる、気持ちのいい秋晴れの空、です。
Posted by 岡田克彦 at 05:58│Comments(0)
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