2012年04月18日
近所のミニストップ

思い起こすと、この18年の間に、高松市内のコンビニの栄枯盛衰は一段落して、沈静化しているようです。まあ、四国には、セブンイレブンが全くないので有名ですが、そのお陰で、コンビニの競争は、本州に比べると、全然大したことはなかったようです。
私が高松にUターンして2年経過した1996年頃、私は経営コンサルタントの仕事の関係で、岡山で勤務していた時期がありました。当時、私が住んでいたのは、岡山市下石井町という岡山駅近くのマンションでした。そして、その時期、イトーヨーカドーの岡山支店が開店したため、近所にあった、ダイエーや高島屋が大打撃を受けたことを目の前で見ましたので、イトーヨーカドーやその系列のセブンイレブンの商売のやり方は、すごいなあ、と感心したものでした。
さて、私の自宅のある、高松市西宝町の県道33号線沿い一帯の土地は、祖父母の時代から、香川県警の機動隊、香川県教育委員会、JR四国(昔は、国鉄、と呼ばれていました。)、高松市役所、香川大学、金融庁(昔は、大蔵省、と呼ばれていました。)などが、広大な敷地を持っていて、その庁舎、会館、官舎、学生寮、研修所、などがある場所でしたので、住民の半分くらいは、転勤族の公務員でしたし、昔から残る農地は全てマンションやビルになっていました。
第二次世界大戦前から営業していた「屋島屋」という大きな八百屋さんは、私がUターンした頃は、まだ、細々とやっていたのでしたが、その息の根を止めたのは、コンビニエンスストアの、ミニストップでした。
というのも、この、高松市西宝町の県道33号線沿い一帯は、スーパーが開店すれば十分に成り立つだけの人は住んでいたのですが、前述のような不動産の持ち主の状況から、スーパーは土地が買えなかったので、全く、スーパーの無風地帯だったので、昔からの八百屋さんがサバイバル出来ていたのです。
ところが、ローソンに続いて、ミニストップが、一番最初、四国にやって来たとき、四国のミニストップの運営拠点になったのが、JR四国100%資本のグループ会社「エムエスネットワーク」でしたので、JR四国の研修所の広大な土地のある西宝町に、ミニストップの四国の一号店で直営店が開店したのでした。
また、同時期に、JR四国100%資本のグループ会社「喜多方ラーメン麺小町」も始まりましたので、JR四国研修所の県道33号線に面した場所に、「ミニストップ」と「喜多方ラーメン・麺小町」が、並んでオープンしたのでした。
で、こうなりますと、転勤族が住民の半分くらいだった高松市西宝町の人達は、近所にスーパーがなかったので、ミニストップに買い物に行きました。
また、西宝町の両隣町の、宮脇町と鶴市町は、昔から、讃岐うどん店だらけの町でした。宮脇町には、老舗製麺所の「丸山製麺所」がありましたし、鶴市町には、ルミばあちゃんの「池上製麺所」がありましたので、その間の、西宝町に「喜多方ラーメン・麺小町」がオープンしたのですから、本格的なラーメン店、という、物珍しさも手伝って、大盛況になったのです。
もちろん、宮脇町の「丸山製麺所」は、ラーメンも手打ちしていたのですが、讃岐ラーメンと違って、「喜多方ラーメン麺小町」のラーメンには、チャーシュー、シナチクが載っていて、サイドメニューの餃子に、とてもたくさんのニラが入っていたので、直ちに、有名店になったのでした。
まだ、私が、東京にいた頃でしたが、久しぶりに高松に帰省すると、自宅近所にラーメン店がオープンしたのですから、びっくりしたものでした。が、食べに行くと、まるでセルフサービス讃岐うどん店のように、「喜多方ラーメン・麺小町」には、セルフで取れる「おでん」が置いてあったので、呆れたものでした。
東京に長くいた私は、チャーシューの載ったラーメンと、筋肉のおでんを一緒に食べたいとは思わなかったのですが、来店者の大半は、餃子ではなくおでんをラーメンと一緒に食べていたので、さらに驚いたものでした(笑)。
また、「喜多方ラーメン麺小町」は、JR四国100%資本のグループ会社でしたから、コスト意識はあまりなかったようで、一番人気の『チャンポン麺』には、魚介類や野菜が、これでもか、というくらいたくさん載っていましたので、既に高松にオープンしていた、九州の豚骨ラーメン店よりもリーズナブルだ、ということで、認知されたようです。
が、まあ、こういった次第で、「喜多方ラーメン麺小町」が有名になったため、隣の「ミニストップ西宝町店」も一挙に定着したのです。

戦前からあった、老舗の八百屋の「屋島屋」は、「ミニストップ西宝町店」と「喜多方ラーメン麺小町」の並ぶ場所の斜め向かいにありましたが、こうして、廃業を余儀なくされたのでした。
JR四国の本社は、香川県高松市、つまり、うどん県県庁所在地にあったのですが、なぜか、グループ会社として、讃岐うどん店「めりけんや」を開店させる前に、「喜多方ラーメン麺小町」を先に開店させました。が、その理由は、全く、謎ですね(笑)。
その後、JR四国は、「四国ミニストップ」から手を引いたので、現在は、四国のミニストップは、東京の本部直轄になっています。
そのほかのコンビニでは、香川県には、ローソン、ファミリーマート、サンクス 、ポプラ、ヤマザキデイリーストアー、等があります。
私が高松にUターンして18年になりますが、この間のコンビニの競争では、ポプラが高松市中心部から引き上げたこと、ファミリーマートが急増したこと、などのスポット的なことはありましたが、ローソンの圧倒的な優位性は変わっていないようですね。
いろいろなニュース等で拝見していると、本州方面では、セブンイレブンが宅配サービスを始めたり、ローソンが老人会のバックアップをするようなことが始まっていて、少子高齢化に対応したいろいろな戦略が展開されているようですが、四国においては、セブンイレブンがない、という点だけで、かなり状況は違っているように感じています。
岡山にいた当時、私は、「ローソン」と「セブンイレブン」の違いを強く認識しました。
その第一は、「セブンイレブン」が、VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジング)〔来店者の行動心理を把握した上での商品の展示方法や照明配置などを、購買意欲を高めるように設定する科学的な手法〕を熟知して実行していること。
第二は、「セブンイレブン」が、過去の顧客の購入データの統計データを完璧に把握しているため、O157が流行った時の品揃えが完璧だったこと。
つまり、「セブンイレブン」は、「ローソン」のはるか上級の商売を展開していると言うことですので、「セブンイレブン」があるかないかで、その土地の文化水準には、決定的な落差が生じる、ということです。
四国四県について、徳島県は大阪から近いこと、高知県は外部からの文化を真っ先に取り入れる気風が強いこと、愛媛県は広島から近いことと道後温泉があること、香川県は弘法大師の出生地で弘法大師が始めたうどんを主食にしてきた特別な風土があること、でそれぞれ、また、四国四県にある、弘法大師の修行した四国霊場八十八ヶ寺に全国からお参りに来る皆さんを、『お接待する』習慣があったことで、「セブンイレブン」がないところの文化ギャップを埋めてやっているのです。
さて、私が、この、自宅近所のコンビニのミニストップで、とてもいいな、と思った商品は、ゴボウのサラダ、冬場のおでん、と、夏場のザルそば、と、イートインコーナーがあって、すぐにそこで食べられるという便利さでした。
まあ、製麺所が、朝の5時半から開いている「うどん県」の県庁所在地ですから、コンビニで、うどんを買うことはなかったのですが、昨夜、夜食のスウィーツを買いに行ったところ、冷やしぶっかけうどんを売っていて、その場ですぐに食べられる、ということだったので、私は、生まれて初めて、コンビニで、冷たいぶっかけうどんを買って食べました。
ミニストップで販売している「冷たいぶっかけうどん」は、大根おろし、ショウガ、ネギ、鰹節、冷たいぶっかけダシ、がついていて、茹でてしめた後の生うどんにからめて食べるようになっていましたので、私は、半熟茹卵と、タマネギ入りのさつま揚げを追加で買って、冷たいぶっかけうどんに載せて、イートインコーナーでいただきました。
そして、私は、少なくとも、ホットドッグとコーヒーをいただくよりも、「冷たいぶっかけうどん」をいただいて、よかったなあ、と、痛感しました。
店員さんにお聞きすると、暖かい麺類では、「チャンポンうどん」、が、一番人気なのだそうです。まあ、そうですよね。「チャンポン麺」を食べたかったら、隣の「喜多方ラーメン」にゆけばいいのですからね。
東京都が尖閣諸島を買う時代なのです。うどん県のミニストップのイートインコーナーは、ホットドッグではなく、うどんを食べる場所になってもいっこうに構わないのです(笑)。
高松市内の喫茶店では、うどんを注文して食べている人が普通ですが、そのうち、高松市内のミニストップのイートインコーナーも、喫茶店と同じ状況になることは、間違いないと思います。
高松市民には、包み紙や外見にこだわる見栄っ張りな人が多いので、ミニストップでうどんを食べるのは、「ふうがわるい」と今は思って、ホットドッグを食べているかもしれませんが、もう1200年前から続く、うどんが大好きなDNAにはかないませんから、そのうちうどんを食べるようになることは決まっていると思いますね(笑)。

ところで、今日は朝から、ぽかぽか陽気でしたので、私は昼食時、吸い寄せられるように、香川県庁斜め向かいの「ばん家」に行って、『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』(270円)、『シイタケとしし唐がらしの天麩羅』(80円)、をいただいたあと、無料サービスのネスカフェのインスタントホットコーヒーをいただいて、タバコを一服いただいてから帰宅しました。
この素晴らしい、「ばん家」の、モチモチのこしの『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』が270円であることと、県庁の斜め向かいの高松市内でも地価の高い場所にあることのに、第二次世界大戦当時は防空壕しかなかった、高松市内でも僻地の、栗林公園の南の室新町に開店した、「丸亀製麺」の、「はなまる」よりはちょっとましな程度のこしの何もトッピングしていない、ただの『かけうどん』が、280円もすることは、JR四国が、讃岐うどん店よりも喜多方ラーメン店を先に開店させた理由以上に、永遠の謎ですね(笑)。
「丸亀製麺」程度の中途半端なこしのうどんならば、高松市内ならば、かけうどんを150円にしないと勝負にならないと思いますね。
掲載写真は、順に、「ばん家」の『冷たいなめこおろしぶっかけうどん』(270円)と『シイタケとしし唐がらしの天麩羅』(80円)、「ミニストップ・西宝町支店」で販売している『冷たいぶっかけうどん』(320円)、「ミニストップ・西宝町支店」と「喜多方ラーメン麺小町・西宝町支店」の並ぶ光景〔うしろの高いビルは、JR四国研修所、背景の山は、西宝寺の山、です。〕です。
JR四国研修所の建物を見る度に、ここ、JR四国研修所で1995年に初めてのパソコン研修として、ワード、エクセル講習会を、東京の経営コンサルタントをお呼びして、私が人材開発部長をしていた「日本マンパワー四国総代理店」で開催したときのことを思い出してしまいます。
講師の先生はこう言ったのです。
「では、みなさんパソコンを立ち上げて下さい。」と。
すると、受講生のJR四国の課長以上の皆様は、全員、起立したのでした。
また、講師の先生が、「環境はいかがですか。」と質問した時、
質問された方は、「ここは、桜の名所の西宝寺の山のふもとで、とても空気が美味しくて、環境は抜群です。」と答えたものでした。
既にパソコンを扱っていた、立ち会っていた私は、可笑しくて笑ってしまいましたけど、今になると、この当時、研修を受けていた、全くパソコンを知らない人達の方が、豊かな生活を送っていたのではないか、と感じますね。
Posted by 岡田克彦 at 16:25│Comments(0)
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