2012年09月14日
「一平うどん」にて

今日は田町で用事があったので、何回かご案内している、高松市田町に新しく出来た、うどん一般店「一平うどん」で、ブランチをいただきました。
このお店は、席について注文してからうどんを茹で始めて、天麩羅も揚げ始めて下さる、正しい、讃岐うどん店です。
まあ、『正しい』うどん店が、勝手に香川県内の地名を使い、ただのファミレスなのに、電気のなかった1200年前の平安時代から、香川県では夜明けが開店だった「製麺所」などという名前を店名にしている「丸亀製麺」のうどんのようなものが『正しい』うどん店だと主張する、絶対にお金だけで買うことの出来ない食文化を、M&A出来ると思い上がっている経営者が跳梁跋扈していますので、自民党や民主党の派閥の数よりも複雑なので、わけのわからない最近の異常気象くらい、『正しい』という概念が不安定になっていますけど(笑)。もちろん、比較の問題として、牛丼の吉野家が経営している「はなまる」よりは、「丸亀製麺」はましですよ(爆)。
ですから、「丸亀製麺」が、『正しい』うどん店だと思っている方は、死ぬまで「讃岐うどん」を理解しなくていいですよ(笑)。
思い起こすと、各地方都市の食文化を全て首都圏は、東京の常識で判断していましたので、たくさんの誤解が生まれているのです。
セルフサービス讃岐うどん店が、注文したらすぐに出来てすぐに食べられて美味しくて安いので、東京から香川県にいらした皆様は、讃岐うどんは「美味い、安い、早い」ということで気に入ったようですが、この3つの視点の基準は、東京と香川では、全く違います。
美味い、安い、は、個々人で、基準が違いますので、香川県のうどんを「美味い」、「安い」、と感じていらっしゃる方が東京に多く住んでいらっしゃるのだろうと思います。しかし、「早い」ということは、注文して食べるまでの時間が短い、ということですから、その時間をどう過ごしているのか、ということで、時間が長く経過したかどうかは左右されてしまいますので、環境問題なのです。
新宿や池袋の空気の汚い地下街のお店で、注文してから食べられるまでの時間は、空気が汚いのですからよほど短くないといけないのです。
しかし、香川県は気候も温暖で緑豊かで海にも近く、空気は、新宿や池袋の地下街よりは絶対に美味しいですから、東京の皆様が「早い」と感じる時間よりは、香川県民が「早い」と感じる時間の方が、絶対に、長いのです。

もともと、香川県の製麺所ですぐに食べられて早いのは、サービスを向上させるためなんかでは全くないのです。製麺所の本業はうどんを作って納品することなのですから、美味しいから食べたいとやってくる近所の皆さんのために出しているだけなのです。だから、早くてあたり前で、食べ終わったら、さっさと帰って欲しいと、香川県の製麺所の経営者は思っているのです。
セルフ店が誕生したのは、1970年の大阪万博に讃岐うどん出店のオファーがあったためなのです。そうでもなかったら、永久に、セルフサービス讃岐うどん店は誕生しなかったと思います。
ところで、私は、高松で生まれ育ちましたから、うどんのセルフ店に入っても、絶対に一般店同様、店員さんや店長さんとお話して、仲良くなります。その方が、美味しくいただけるからです。セルフサービスうどん店も、懐石料理店、フランス料理店、中華料理店、エスニック料理店、などと、全く変わらないのです。
だからこそ、ガストやジョイフルのような、マニュアル通りの回答しかなくて、お話している相手の意思表示が全くないレストランは、好きじゃないのです。
美味しく食事をするためには、人間ならば、楽しい会話がないとダメであることは、最低の条件だと思っています。
「一平うどん」は、席について注文してからうどんを茹で始めて、天麩羅も揚げ始めて下さる、お店ですから、当然、5分は待たされます。

開店1ヶ月未満ですが、さすがは、高松ですね。すぐに認められ、今日行くと、従業員が、7名に増えていて、香川県民でいっぱいでした。
今日、私は、『鶏天載せの冷かけうどん』(680円)をいただきました。
素晴らしいイリコダシの細めのこしのしっかりしたうどんで、天麩羅は別盛になっていました。
別盛の鶏天には、大葉とかぼちゃの天麩羅ものっていましたが、鶏天は大きいものが4切ついていたのですが、鶏のいろいろな部位4種類でしたので、本当に楽しんでいただけました。
しかも、柚子酢、がさりげなくついているのです。また、天かすは、青海苔の天かすでしたので、素晴らしい香りでした。
まあ、高松市内の讃岐うどん一般店では、昔から、イリコダシの天麩羅うどんには、青海苔の天かすとショウガを載せ、柚子かスダチ酢を少しかけると美味しいことは、あたり前なのですが、きちんとこのあたりが整備されていることが大切なのです。
「丸亀製麺」が、割引券を出して客寄せをしているようですが、全くナンセンスなことですね。イリコダシ、青海苔の天かす、柚子かスダチ酢、こそが、必須なのです。
掲載写真は、順に、「一平うどん」の『鶏天載せの冷かけうどん』、『青海苔の天かす』、若い創業社長のマスターのうどん職人さん、です。

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Posted by 岡田克彦 at 15:45│Comments(0)
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