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Posted by あしたさぬき.JP at

2011年10月21日

今年初の「しっぽくうどん」








10月になりました。



香川県の冬のうどんの定番「しっぽくうどん」は、11月からのところがほとんどなのですが、「まるいち・高松郷東町支店」は、10月から始めましたので、一昨日、昨日、と涼しかったので、今年初の『しっぽくうどん』いただいてきました。



香川人にとって、『しっぽくうどん』は、絶対に讃岐うどんのメニューから外せないものになっています。



讃岐うどんの『しっぽくうどん』は、通常、地元では、『おしっぽくうどん』という丁寧語で呼称されていますが、これについては、以前ご案内したように、江戸時代初期の、徳川秀忠、徳川家光の頃、日本が鎖国を始めた時に、長崎だけに中国の船が入っている時期があったのですが、唐人屋敷が作られる前の数十年間の間、中国の人達と日本人が同じ地区に同居していた時期があって、この間に、お互いがお互いを自宅に招きあう中で、和食をベースに作られた中国風のコース料理が自然発生したものが、卓袱料理(しっぽくりょうり)として確立されたものが語源です。



長崎の卓袱料理の素晴らしさは、早速、京の都に伝わり、京都で、長崎の卓袱料理のようにいろいろなものののったうどんとして、「しっぽくうどん」ができました。讃岐の国は、遣唐使で中国の唐の国に行った弘法大師が、メソポタミアから長安に伝わってきた小麦の栽培と製麺技術を自分の出生地の香川県に持ち帰った平安時代の1200年前から、ずっと、讃岐の国では、雨が降らなくてお米が凶作になることが多かったことから、主食として親しまれていたのですが、京都から、しっぽくうどんの文化が入ってきたときに、いろいろなものの載ったうどん、という意味で伝わったため、地元で取れるありとあらゆる根菜類、豆腐、お揚げ、コンニャクなどをイリコだしで煮込んだものをうどんにかけていただくものとして確立されました。



が、京都から伝わってきた有難い料理だったので、「おしっぽく」という言葉で呼ばれるようになったようです。その証拠に、讃岐弁においては「しっぽくうどん」という名詞はなくて、「おしっぽく」なのです。



従って、今の時期、香川県の讃岐うどん店で、しっぽくうどんを注文する時の讃岐弁の対話は、次のようになります。



「おしっぽくやっりょんな。」〔しっぽくうどんは始めましたか、の意〕



「へぇー。」〔はい。始めました、の意〕



「ほんなら、それいたぁーーー。」〔では、それ(しっぽくうどん)を作ってください、の意〕



しっぽくうどんは毎年、11月から3月くらいまでの冬季限定になっていますので、私は、生まれたときから毎年、この対話をしてしっぽくうどんをいただいて、冬を迎えます。



冬のうどんは『鍋焼きうどん』だと思っている他県の方が多いようですが、『鍋焼きうどん』のようなものは、うどんの故郷の香川県では、いつでもいただける定番メニューです。実際、カキ氷の有名な、明治時代創業の高松の甘味処「美代志野」(みよしの)には、真夏に、カキ氷をいただくときに、お腹が冷えるといけないので、『鍋焼きうどん』を置いていますので、私自身、真夏に、甘味処「美代志野」(みよしの)でカキ氷をいただいた後には、『鍋焼きうどん』がとても美味しいので、いただく程度のものなのです。



また、他県では、年越しそばを食べますが、香川県では、年越ししっぽくうどんを食べますし、元旦の、餡餅入り白味噌仕立てのお雑煮とお煮しめをいただく以外は、うどんを食べていましたので、最近、讃岐うどん協会が『年明けうどん』のようなしきたりを始めましたけど、そのようなものがあってもなくても、讃岐人は、うどんを食べていたのです(笑)。










高松市内のほとんどの讃岐うどん店の「しっぽくうどん」は、鶏肉がいろいろな野菜と一緒に入っています。お店によっては、牛肉やイノシシ肉を入れるところもありますけど、昆布、イリコ、鰹節のだしにも合うので、鶏肉のところが多いですね。「まるいち」の『しっぽくうどん』も鶏肉入りですが、大根、にんじん、サトイモ、豆腐、揚げ、コンニャク、太ネギ、ごぼう、などが入っています。



飲食物については、地産地消で旬のものをいただくのが一番栄養価もあり、美味しいですから、当然、「しっぽくうどん」には香川県で取れるものしか入っていません。だから美味しいんだな、と、最近、改めて、感じました。



毎年、こうやって、「しっぽくうどん」をいただいてきたのですけど、福島原発問題が起こった今年は、私は、改めて、電気も「しっぽくうどん」のように、地産地消を早く実現してほしいと思ってしまいました。



電気だって、野菜同様、新鮮な方がいいに決まっています。送電技術の進歩によって、どこでも同じ品質の電気が受け取れますけど、送電施設の設置には、余計な予算が必要ですので、財政難の今日のことですから、是非是非、電気も地産地消するよう徹底すればよいのです。



東京で電気が足りないのならば、福島県に原発を作るようなことはやめましょう。国会議事堂の隣でも、東京ドームの隣でも、原子力発電所を作ればよいのです。そうすれば、東京にいらっしゃる皆様は、全員、出来立てほやほやの、新鮮な電気を使えるのですから、みんなハッピーになると思います。



そのかわり、天変地異があって、放射線が出た時には、毎日電気を浪費した住民の自己責任において、被爆するリスクも覚悟しないといけないのはあたり前のことです。



最近、マスコミでは、原発問題を、日本全体の問題だという風に報道していますけど、とんでもないことです。電気の大半は、東京が浪費しているのですから、東京で電気を全て自給自足するようにすればよいのです。地方都市に責任転嫁するのはやめていただきたいものです。



私は、電気を浪費する新幹線のようなものは、金輪際、四国には来てほしくないと思っていますし、真夜中に電気を浪費してお金儲けに邁進しているコンビニやファミレスは、全て、自分で電気を作りましょうね。



・・・・・なんてことを考えながら、美味しい「おしっぽくうどん」をいただきました。



早く、11月になってほしいな、と思っています。私の自宅近所には、しっぽくうどんの安くて美味しいお店がいっぱいあるので、またまた、楽しい冬がやってくることが楽しみなのです。








掲載写真は、順に、一昨日の夕食にいただいた、「まるいち・郷東店」の『おしっぽくうどん』『焼き豆腐、大根、ゆで卵のおでん』『ゴボウの天ぷら』、昨日の昼食にいただいた、細麺の名店「やま家」の、『月見・ワカメうどん』『サツマイモの天麩羅』『サラダ巻き寿司』、昨日の午後のおやつにいただいた、久しぶりにお邪魔した、番町の喫茶「フルール」の『イチジクのチーズタルト』、です。









  


Posted by 岡田克彦 at 00:54Comments(0)讃岐うどん