2012年03月26日
春間近の讃岐うどん

高知県では既に桜が咲いたそうですので、春が少しずつ近づいています。高松の桜の開花は、4月のはじめだそうですので、北朝鮮のテポドンがやってくるかもしれない時期よりは少し早くなるようですね。
私の住む高松市西宝町は桜の名所で、特に、窓から見える西宝寺の山は、春になると桜ばかりなのでピンク一色になります。
また、近所の郷東川の河川敷には、つくしがたくさん生えますので、とてもいい時期が近づいてきている予感がしています。
今日は、まだ、気温は低かったのですが、天気は快晴でしたので、昼ご飯に、久しぶりに自転車に乗って、近所の細麺の名店の、讃岐うどん店「やま家」へうどんを食べに行きました。
マスターや奥様とも久しぶりでした。今日は、春らしい天麩羅がいろいろ揚がっていたので、春の香りを満喫出来るものをとって、いただきました。
すなわち、温かいワカメうどん3玉に、春菊と竹の子の天麩羅をのせて、春のタコを練りこんださつまあげ(高松ではこの練り物のことを「おてんぷら」と呼んでいます。)と、おにぎりもいただきました。
とても春らしい香りの巣晴らしいお昼のうどんでした。特に竹の子がとても柔らかかったことは、高松市内の讃岐うどん店としてはあたり前なのですが、炊いている下味の甘さの加減が抜群でしたので、いつも、この店のトッピングを手作りしている奥様にお礼を言って出た頃には、いつものように行列が出来ていました。
ここのトッピングの天麩羅は全て一律80円なのです。
県外客が多い時とそうでない時は、店内で交わされている言葉のイントネーションですぐにわかりますが、一番確実な判断材料は、うどんを食べるスピードと音なのです。讃岐人はうどんをほとんど噛まずに流し込みますので、うどんを食べるスピードが速く、ズルズルッとたてる音が豪快で噛む音がほとんどしないことですね。
その点では、私の隣で月見うどんを食べていた、戦前生まれのおばあ様は完全に高松市土着の方で、ものすごいズズズズッという大きな音を立てていたので、私が思わず振り向くと、目が合ってしまいましたが、美味しいので、うどんを流し込んで次をすする前に、ニーーーッと私に笑顔で答えてくれましたので、私はいつものように無言で頭を下げましたら、そのおばあちゃんも、無言で頭を下げてすぐにうどんに集中していました。
これが、昔からの高松人どうしの、讃岐うどん店での一期一会の手法なのです。通常うどんを食べている途中ならば、言葉はいらないのです。
まあ、一息ついてお茶を一服飲んだ時ならば、話しかけられる時もありますが、高松の土着の年配者から、「はじめまして。」なんて言われたことは一度もありません。大体、第一声は、「あんた、うまーげなうどん食べよるのう。」か、「なんがでっきょんな。」ですね。
この時、「ここのうどん、素晴らしいこしですね。」と話しかけられたら、間違いなく讃岐うどんを食べに来た県外の方です。高松の土着民は、素晴らしいこしのうどんしか食べたことがないので、わざわざ食べに行くお店のうどんのこしが素晴らしいことは生まれた頃から決まっているからです。
また、「ここのうどんエッジが立っていていいですね。」なんてことを言う高松土着の高齢者は絶対にいません。この理由は非常に簡単で、『エッジ』なんて、よそから来た言葉(外国語のこと)は絶対に知らないからです(笑)。
以上、グローバルスタンダードと全く無縁の高松土着の讃岐うどん店での日常を一部ご紹介しました。
掲載写真は、「やま家」の、『かけうどん・鳴門ワカメ、春菊の天麩羅、竹の子の天麩羅載せ』『おにぎり』『春のイイダコ入りのさつま揚げ』です。
Posted by 岡田克彦 at 21:46│Comments(0)
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