2012年03月04日
「大日本社員食堂」の『トマト塩ラーメン』

昨日、私は、高松で久しぶりに美味しいラーメンをいただきました。
高松はうどんの故郷ですので、北海道や福岡から来た支店やFCのラーメン屋、博多まで修行に行った若者が始めた「喜楽」以外の、高松のオリジナルラーメンで美味しいものは早朝の、製麺所の讃岐ラーメンだけなので、まあ、普通に高松にいらっしゃったら、ラーメンの美味しいお店は、わずかしかない、と、あきらめていただくほかありません。
が、高松市のど真ん中の中央商店街の一つ、南新町に、農家の有志の皆様が始めた、JAの産直店よりも安く、新鮮で美味しい野菜を売っている「農民一揆」の奥に開店した、「大日本社員食堂」の、ランチタイムからディナータイムの間限定の、『トマト塩ラーメン』をいただき、素晴らしく感動しましたので、そのことを書きます。
まあ、何が素晴らしいって、この『トマト塩ラーメン』のダシが素晴らしいのです。朝採れトマトを鶏がらのダシで煮込んでいる塩味のスープなのです。しかも、シナチクやチャーシューを入れず、半熟のスクランブルエッグと、親鶏を蒸したものが載っているのですが、これの、トマトとの相性が抜群なのです。甘味は全てトマトから出ているのですから、たまらなく美味しいのです。
そして、ダシの素晴らしいこのラーメンは、スープとしても素晴らしくいただけるので、当然のように、白飯か、玄米ご飯がついて、500円なのです。もちろん、前回、この店のランチが素晴らしいことをご紹介した時と同様、朝採れ野菜の漬物はサービスですし、ドリップコーヒーもタダで何杯でもおかわり自由なのです。
素晴らしく美味しかったので、ちょうどいらしていた女性客二人連れ(お母様とお嬢様)の方と感心してお話しながらいただいていましたら、ご主人が出てこられたので、いろいろおしゃべりしました。
そして、この、「大日本社員食堂」を始めた理由をお聞きして、とても感動してしまいました。
2~3年前から、新鮮な野菜を使った食堂をやっていたそうなのですが、ある日から毎日食べにいらしていた一人暮らしの高齢のおじいさんが来なくなって、少しして久しぶりにいらっしゃったときに、聞いたところ、景気が悪くなって節約しないといけないので、外食はやめて、社会福祉協議会が配ってくれるお弁当にしたんだ、とのことだったそうですが、そのおじいさんは、昼食時に社会との接点をキープしていたいので、この商店街に来て、ここで食事をすることが楽しみだった、とのことでした。
これを聞いたご主人は、このニーズにこたえるため、お弁当持込可能の食堂にしたのだそうです。だから、ドリップコーヒー、お茶、お漬物を全ての客に無料で提供しているのです。
しかし、ご年配者は、ただで居座ることはしないのですね。だから、温かいお味噌汁だけは注文することが多いのだそうです。
若い店員さんなどとおしゃべりできることが、一人暮らしのお年寄りにとっては一番いい栄養になるのだ、とのことでした。
南新町の隣が、商店街活性化に成功している丸亀町商店街で、そのアーケードの両側のマンションは高齢者で満室状態ですが、さらに高齢化が進むと、今は老夫婦が健在でもそのうち片方がなくなることもあるでしょうから、こういう街中の憩いのスペースが、この先の少子高齢化社会では必須になると思いますので、素晴らしい方針だと思いました。
まあ、高松市内は、うどん店だらけですし、うどんは安いですから、高齢者が一杯になってどうしようもなくなれば、讃岐うどん店を統括している香川県庁が、全ての讃岐うどん店を弁当持込み可にすれば、大丈夫なのですよ。
お弁当を持ってゆけば、かけうどんは150円でいただけますから、OKでしょうね。
先般の埼玉県などの首都圏での餓死者のような、対話がないため、生きているのか死んだのかわからないような状況は、こうした取り組みが始まっている高松ではあり得ないことなのですが、各地方都市では、地域コミュニティーが残っていますから、あのような首都圏のような無慈悲なことは起こらないのであります。
まあ、孤独死してまで守らないといけないプライバシーなどは絶対に存在しないと私は確信していますので、個人情報保護法のようなものは、さっさと廃止した方がいいですね。
掲載写真は、「大日本社員食堂」の『トマト塩ラーメン』です。