2013年10月03日

bardi musica「レトロ」のコンサートを終わって

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レトロの雰囲気





昨日の夜、初めて、自宅から自転車で数分のところにある、三越高松店の裏の、高松市内町の、bardi musica「レトロ」でのライブがありました。



今回は、コラボ相棒の27歳のボーカルの山本君が多忙のため、私一人で行って、ピアノソロと、初対面のボーカリストとのアドリブ演奏を、来月以降のデュオでの出演の下見方々、させていただきました。毎月第一水曜日の20:00~行っているのですから、ほかと重ならなくていいですね。



また、高松市林町の「カフェKUSAKA」でいつもご一緒している方、高松市丸亀町の「ワインバー・葡萄塾」でPAを担当されている方も、いらしていたので、とてもとても、楽しかったです。



というのも、ここのピアノが、カワイのアップライトだったのですが、とても、弾きやすいアフタータッチだったので、素晴らしいピアニストが弾いてきたのだろうと思いました。まあ、こればかりは、3歳からピアノをやっている私にはすぐにわかることなので、OKです。



高松市林町の「カフェKUSAKA」には、ヤマハのCのグランドがあって、二階まで吹き抜けの残響のよい場所なのですが、ステージと客席に、距離があるので、私自身の東京でのコンサートの経験では、「レトロ」のように、目の前1メートルほどで、ピアノの鍵盤やギターの状況が見えるスタイルが断然好きなので、素晴らしかったです。



「カフェKUSAKA」でギターを弾いて歌っている友人が、「レトロ」で演奏すると、全然、別のアーティストに感じられました。どっちが本物か、というと、目の前1メートルが、本物に決まっているのです。



さらによいことは、ここは、高松市の町のど真ん中ですから、参加者は全て、東京からの転勤族と、高松市内在住者だけで、生演奏があるので、食べることと金儲けにしか興味のない大阪の人たちが皆無で、客層が素晴らしかったことと、瀬戸内海が近いので、外に出ると、海風が感じられたので、高松市中心部で生まれ育った私は、本当に、平常心で演奏が出来ました。



高松市の中心部、ということならば、丸亀町の「ワインバー葡萄塾」も同じなのですが、「葡萄塾」は、電気ピアノ、それも、カシオのプリヴィアならいいのですが、ヤマハのかなり古いエレピアンでしたし、いすの高さも調節できませんでしたので、ピアニストとしては、「レトロ」の方が、数段上でした。



そんなこともあって、「レトロ」は、高松で活動している、アマチュアアーティストでいっぱいでした。



私は、早速、周囲の人とお話して、ショパンやジャズを演奏した後、隣に座っていた47歳のK君、というエンジニアで独身の若者〔56歳の私にとって47歳の彼は若者なのです(笑)。〕から、尾崎豊の“I Love You”が得意だと聞いていたので、ショパンの別れの曲のエンディングは、ホ長調の協和音ですから、それは、イ長調の“I Love You”の解決和音ですから、直ちにつないで、「K君、歌ってよ。」と呼びかけると、彼は臆することなく歌ってくれました。いいな。こういう場所でアドリブの一番邪魔になるのは、失敗を怖れて人前に出ないことですから、彼の自信過剰は素晴らしいと思いましたよ。



こういう、パーフェクトなアドリブは、東京では日常的なことなのですが、19年前に、母の介護のために高松にUターンして以来、初めてでしたので、本当に、感激しました。しかも、彼は、私と同様、浜田省吾が大好きだとのことでしたので、来月のこのライブでは、彼のギターと私のピアノで、彼が、「丘の上の愛」〔ご存知の方も多いと思いますが、この作品の間奏では、バロック風のピアノが入らないとさまにならないのです。〕を歌うことを約束しましたので、とてもとても楽しい宿題をいただきましたし、ボーカルの相方の山本君のレパートリーではない、私の大好きな浜田省吾のナンバーを、次々とやれるので、楽しみです。



私は56歳なので、是非是非、「19のままさ」か「ミッドナイトブルートレイン」をやりたいな、と思っています。



終わったのは、深夜の1時半でしたが、隣が駐車場と空き地なので、OKなのです。三越高松店の片原町方面裏側は、昔から、空き地の多いところだったことを私は知っていますので、このようなスペースが出来たことは、素晴らしいと思いました。



そのあと、とてもとても、サービスのいいママさんが、「乙女の祈り」を弾き出したので、私はびっくりしましたが、何でも、少し前に、交通事故にあって、左手を少し痛めたので、リハビリとして「乙女の祈り」を演奏しているとのことでした。



なるほどなあ、と、私は聴き入ってしまいました。というのも、ここのピアノが素晴らしい状態なのは、ママさんのピアノタッチが素晴らしかったからだということがわかったからなのです。



つまり、ママさんのピアノ奏法が、大きな音を出す時に、押さえ込む重量奏法ではなく、打鍵のスピードを速くする、フランス近代風の合理奏法だったからなのです。



このことは非常に重要なことで、クラシックとロックの違い以上に、ピアノという楽器の特性にとっては、決定的なのです。



ピアノという楽器をいい状態に長持ちさせるのは、調律師ではなく、それを弾くピアニストの、ピアノへの愛なのですから、自己顕示欲の塊のピアニストは、ピアノに無理な打鍵をして、すぐに、ピアノという楽器の良さを潰してしまうので、結果的には、弾きながら美しくない音を常時耳にするために、指が正確に動いても、音感に悪影響を及ぼすので、聴覚に大ダメージを与えてしまうのです。



ピアノ奏法を正しく行うことは、演奏する音楽のジャンル以上に、はるかに、大切なことなのです。



また、昨夜、私は、演奏しようと思っていたので、アルコールはやめて、アイスコーヒーを飲んでいたのですが、隣の焼酎を飲んでいた年配のおじさんの聴衆の人がつまんでいた、芋ケンピを、コテコテの讃岐弁で、「あんた、これ食べまい。」などと言って下さったりして、本当にアットホームないいスペースだな、と、痛感しました。



そんなこんなで、私が自転車で帰宅したのは、深夜の、午前2時でした。



またまた楽しみな場所が増えて、とても嬉しい夜でした。



掲載写真は、bardi musica「レトロ」のコンサート、の、ひとコマです。こんな、演奏の現場、つまり、録音スタジオの中のような場所でないと、楽譜なしで、アドリブなんて、絶対にやりたくないですよね。



クラシックピアニストの皆様もそうでしょう。楽譜通りに指が動くだけなんて、まるで、ロボット、ですから、感心しても感動はしないのです。つまり、自分のハートを聴衆のハートに直接届けることは、絶対に出来ないのですよ。



演奏の目的は、音楽を通して、自分のハートを、聴く人のハートに、直接届けることなのです。ピアノは打楽器の一種ですが、指が正しく動いてミスのない演奏が出来ても、演奏者の息遣いが聴こえない演奏は、音楽であることを直ちにやめてしまうのです。






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